【徹底解説】退職金の運用でおススメの方法4選~パターン別に解説~

退職金 運用

 

1. 退職金の運用を考える上で考慮すべき3ポイント

今回は長年勤めた企業から退職時にもらえる退職金のおススメの運用方法について解説をしていきます。ただ、選択肢は数多く存在していますし、運用したい金額や運用者のタイプでも何が最適かは異なってきますので、タイプ別に解説をしていきます。

そのためには、まずご自身がどのタイプに属しているのかを把握することが大切なので、そちらから解説をしていきます。

退職金の運用を考える上で考慮すべき3ポイント

1-1. ポイント①『金額』

まずは金額です。

これは、退職金を何円貰えて、何円運用に回せるか!というものになります。それも1人1人異なりますので、まずご自身がどの程度の退職金が入りそうなのか!を把握する必要があります。厚生労働省の平均データになりますが、ご紹介していきます。

STEP1 退職金の金額を知る

 

■【勤続年数別】退職金の平均額

正確な数値はご自身が勤めている会社の人事部に直接ヒアリングする必要がありますが、厚生労働省が5年に1度発表しているデータがありますので、ご紹介していきます。

万円 大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(現業職)
勤続20~24年 ¥1,267 ¥525 ¥421
勤続25~29年 ¥1,395 ¥745 ¥610
勤続30~34年 ¥1,794 ¥928 ¥814
勤続35年~ ¥2,173 ¥1,954 ¥1,629

(勤続20年以上、年齢45歳以上の方 ※厚生労働省HPより)

 

■【退職理由別】退職金の平均額

退職理由
大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(現業職)
退職金(万円) 退職時月収(万円) 退職金(万円) 退職時月収(万円) 退職金(万円) 退職時月収(万円)
定年 ¥1,983 ¥51.3 ¥1,618 ¥39.8 ¥1,159 ¥32.0
会社都合 ¥2,156 ¥61.1 ¥1,969 ¥49.9 ¥1,118 ¥33.1
自己都合 ¥1,519 ¥51.3 ¥1,079 ¥36.3 ¥686 ¥28.7
早期優遇 ¥2,326 ¥53.6 ¥2,094 ¥41.2 ¥1,459 ¥30.1

(勤続20年以上、年齢45歳以上の方 ※厚生労働省HPより)

 

退職金の金額を把握した後は、今後のライフプランを考慮した上で、家計状態を予測していきます。

STEP2 今後のライフプランを考慮して、家計状態を予測する

   

■定年退職時の状況

項目 詳細
退職時年齢 60歳
退職金 2,000万円 ※手取り
家族構成 夫(60歳)、妻(60歳)、子供2人(独立済)
預貯金残高 2,000万円
年金受給予定額 22万円/月 ※手取り
生活費 15万円/月 ※住宅ローン含まず
健康保険料 5万円/月 ※夫婦2人
ローン
住宅ローン 540万円(9万円/月×5年)※64歳で完済
その他 無し
今後の
ライフプラン
旅行 毎年2回は行きたい 20万円/年
退職金で買いたい 500万円/台

この表のような状況であった場合、今後の家計の状態がどうなりそうなのかを計算していきます。

 

■今後の家計状態(予測)

年齢 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100
収入
退職金 ¥2,000 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0
年金 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264
累計 ¥2,000 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264 ¥264
支出
生活費 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180 ¥180
健康保険料 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60 ¥60
住宅ローン ¥108 ¥108 ¥108 ¥108 ¥108 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0
旅行 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20 ¥20
¥500 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0 ¥0
¥868 ¥368 ¥368 ¥368 ¥368 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260 ¥260
貯金額
単発 ¥3,132 -¥368 -¥368 -¥368 -¥368 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4 ¥4
累計 ¥3,132 ¥2,764 ¥2,396 ¥2,028 ¥1,660 ¥1,664 ¥1,668 ¥1,672 ¥1,676 ¥1,680 ¥1,684 ¥1,688 ¥1,692 ¥1,696 ¥1,700 ¥1,704 ¥1,708 ¥1,712 ¥1,716 ¥1,720 ¥1,724 ¥1,728 ¥1,732 ¥1,736 ¥1,740 ¥1,744 ¥1,748 ¥1,752 ¥1,756 ¥1,760 ¥1,764 ¥1,768 ¥1,772 ¥1,776 ¥1,780 ¥1,784 ¥1,788 ¥1,792 ¥1,796 ¥1,800 ¥1,804

(単位:万円)

これは今後の日本経済の状態や物価の増減、医療費は加味していませんが、65歳以降の年金受給開始になった後は1700万円弱の貯金を推移していくことになります。

 

STEP3 運用に回せる金額を計算する

STEP2の計算式だと、1700万円弱の貯金で推移しているので、それを基準値として考えていきます。ただ、何円貯金に回しておきたいかはお一人お一人の性格で異なるので、それはご自身で決めていきましょう。

 

1-2. ポイント②『リスク』

次はリスク許容度を考えていきます。リスクとは、日本や世界の経済状態、政治状態、為替状態など様々な状態により、現状と比較して状況が悪化する可能性のことを指しています。ローリスクの商品であれば、リターンは少ないですし、ハイリスクの商品であれば、リターンも大きくなるといった関係性があります。

例えば、銀行口座に貯金している場合、銀行が破綻しない限り、元本保証はされます。ただし、金利は0.001%/年程度のため、1000万円預けていても、100円しか増えません。ただし、ペイオフ制度があり、仮に銀行が破綻したとしても、最大1000万円+金利分の元本は保証されます。

それに対して、FX、ビットコインなどの暗号通貨、株式投資の信用取引を行った場合ですと、元本が全て無くなる可能性もありますが、1ヶ月で倍に増える可能性もあります。

このリスクをどこまで許容できるかはお一人お一人の考え方で異なってくるので、どのレベルまで許容できるかを決めていきましょう。

『ローリスク・ローリターン』

元本割れのリスクを抑えた状態で運用を行うため、利益は低い。

具体例)貯金、iDeCo、債券、積立NISA、財形貯蓄、保険 等

 

『ミドルリスク・ミドルリターン』

リスクをそれなりに抑えつつ、それなりの利益を得る

具体例)株式投資、投資信託、不動産投資 等

 

『ハイリスク・ハイリターン』

元本が無くなる可能性はあるが、短期間で大きな利益を得る可能性がある。

具体例)FX、暗号通貨、信用取引 等 

 

1-3. ポイント③『目的』

最後はその運用を行うことで、いつまでにどの程度の運用益を得ていたいのか?その運用益を得ることで、どうしたいのか!を決めていきます。

この目的は年齢にもよりますが、例えば定年退職した60歳以降の場合で考えると、年金とは別に毎月の生活費を賄えるくらいのお金は欲しい。毎年の旅行代に使える金額が欲しい。定期預金より増えていればOK。ただし、元本保証は欲しい。などです。

これもお一人お一人の状況で異なっていきますので、ご自身がどうしたいのか!を決めていきましょう。

 

2. 【パターン別】退職金の運用でおススメの方法

前述の3つのポイントからタイプ分けをして、まずはご自身がどのパターンかを把握して頂きます。そのタイプもお一人お一人の状況で異なりますし、これは一例ですので、参考程度にご確認ください。

 

2-1. パターン①『貯金以外怖い』

これまで貯金以外特に行って来なかった場合、いざ60歳になってから何か運用したとしても、『失敗したらどうしよう?』『怖い・・・』という感情を抱くことも少なくないかと思います。そのため、そういった方におすすめの方法をご紹介します。

 

選択肢1 退職金限定の定期預金

選択肢としては、退職金限定の定期預金のプランが各銀行ごとに用意されております。2021年時点ですと、普通預金の利率は0.001%、定期預金の利率は、0.002%程度と少ない利率となっております。それに対して、退職金限定の定期預金のプランですと、もう少し高い利率で設定されております。

ここでは、高い利率TOP5をご紹介していきます。

No 銀行名 本店所在地 利率 最低預入金 条件
1 トマト銀行 岡山県 1.602% 300万円 年金受取・予約がある&預入金が1,000万円以上・・・1.602%
預入金が1,000万円以下・・・0.602%
岡山県内店舗の営業区域内の居住者、勤務者限定。
2 広島銀行 広島県 1.502% 300万円 給与振込・年金受取・予約がある・・・1.502%
給与振込・年金受取・予約がない・・・1.002%
預入金が1,000万円以下・・・0.502%
40歳以上限定。東京/名古屋/大阪/神戸/北九州/福岡支店では取り扱い無し。
3 みなと銀行 兵庫県 1.500% 500万円 NISA口座の解説・・・1.700%
東京/大阪/梅田/千里山支店では取り扱い無し。
4 池田泉州銀行 大阪府 1.500% 300万円 年金受取・予約がない・・・1.000%
東京/インターネット/ダイレクト支店では取り扱い無し。
55歳〜65歳限定。
5 福邦銀行 福井県 1.202% 100万円 年金受取・予約がない・・・1.000%
55歳〜限定。

定期預金でここまで高い利率なのは魅了的なのは事実ですが、各種条件も設定されているため、日本人全員が利用できるかと言われるとそうでもないです。

 

2-2. パターン②『定期預金以外で、元本割れリスクを抑えた商品』

選択肢1 保険

一般的に保険と聞くと、医療保険のように掛け捨て保険で、入院や手術などがあった場合に保険金が降りるといったイメージもあるかと思います。しかし、保険が数千の種類が存在し、その中でも元本保証され運用される商品もあります。

退職金 保険 運用

これは一例にはなりますが、解説をしていきます。

まず入れた金額に対して、約10%が変額部分、約90%が定額部分に分けられます。そして、主に約10%の部分で為替や株などで運用されていくのですが、どれだけ運用結果が悪かったとしても15年後には元本保証されるといった仕組みになっています。

また、設定された目標利率に期間内に達したら契約満了となり、その運用益と元本が変換されます。

 

具体例)

運用額:500万円 目標利率:10% 100円/ドル(5万ドル)

5年後:目標利率に到達した ➡︎ 550万円が変換

15年後:運用結果が悪く元本割れした(110円/ドル) ➡︎5万ドル(550万円)が変換

 

ここで注意が必要なのは、多くがドル建て商品になっており、元本保証されるのは、ドル建ての場合ですと、ドルベースになります。上記の具体例ですと、為替が100円/ドル➡︎110円/ドルになっているため、5年後も15年後も運用結果が同じになっています。

ただし、15年後が90円/ドルになっていた場合、450万円になりますので、50万円は損する形となります。

運用する上で為替リスクはどうしても発生してしまいますので、これは認識しておく必要があります。

 

選択肢2 債券

退職金 運用 債券

債券は株式と同じように国や会社の資金調達の1種となります。いわゆる国債や社債と呼ばれる商品になります。債券を発行している所は発行体と呼ばれ、日本国債の場合、日本が発行体となり、トヨタ自動車債(社債)の場合トヨタ自動車が発行体となります。

債券は株式投資とは異なり、大きな価格変動もなく、安定した固定金利(クーポン)を得られるというのがメリットとなります。

退職金 運用 債券

上記の画像はSBI証券で検索した画面になります。左側がドル建て、右側が円建てになります。この中で高い利率を確認すると、左側のEB債、株価連動債といった商品がありますが、少し複雑化した商品であり、低い利率の債券には含まれていない条件が含まれていたりします。

特にEB債とは仕組債とも呼ばれ、債券の中でもっとも複雑化されている商品になりますので、中身を正確に理解する必要があります。

 

◾︎債券を契約するならIFA経由がおすすめ

IFAとは?

Independent Financial Advisorの略。大手証券会社と異なり、販売手数料が低く、運用利率が高く設定されていることが特徴。IFA経由でしか契約できない商品も多数存在。

元本割れリスクを考えると、定期預金➡︎保険➡︎債券の順番になりますが、定期預金でも高くて年利1%強。保険や債券はドル建ての場合、為替変動のリスクは必ず存在するため、そういったリスクを正確に理解して開始するようにしましょう。

 

2-3. パターン③『株式投資などの投資経験がある』

パターン①、②でご紹介した定期預金、保険、債券は投資リスクを抑えた商品となりますので、運用益も少ないと感じられる方もいるかと思います。そこで、株式投資などの投資経験があり、リスク管理ができる方向けの商品を解説します。

 

選択肢1 仕組債(EB債)

前述にも債券のご紹介はしましたが、今回は一般的な債券とは異なった仕組債の解説になります。一般的な債券は株価の増減には影響を受けないのですが、仕組債は株価の増減に影響を受ける商品となります。

退職金 運用 債券

また、一般的な債券の場合ですと、発行体は1つの国や会社のみで構成されていますが、仕組債は複数社で構成され、その構成されている会社の株価の動きによって元本割れするかしないかが決まってきます。

実際にSBI証券で販売されている商品を見ていきます。

退職金 運用 債券

退職金 運用 債券

退職金 運用 債券

これだけ見ても何が書いてあるかさっぱり分からないかと思うので、ポイントだけ解説をしていきます。

 

◾︎ポイント①

【対象株式】

Zホールディングス株式会社(4689)、マツダ株式会社(7261)

この仕組債はYahoo!を運営しているZホールディングと自動車メーカーのマツダで構成されているという意味になります。 

 

◾︎ポイント②

【利率】

〜3ヵ月目

年13.50%(税引前)/年10.757%(税引後)

4ヵ月目〜償還日まで

1. 各利率決定日の全ての対象株式終値が、利率決定価格以上の場合:年13.50%(税引前)/年10.757%(税引後)

2. 各利率決定日のいずれかの対象株式終値が、利率決定価格未満の場合:年1.00%(税引前)/年0.796%(税引後)

これは、契約してから3ヶ月目は13.50%/年(税引前)、10.757%/年(税引後)になるというものです。その後は、株価の動きによって13.50%/年(税引前)かもしくは、1.00%/年(税引後)になるという内容になっています。具体例を交えて解説していきます。

退職金 運用 債券

申込日の期限は2021年9月27日までになっているため、それまでに購入した場合、その購入した日の終値を基準としてスタートすることになります。例えば、マツダ(7261)の株価が1000円/株の場合、1000円/株を100%となります。

その後契約してから最初の3カ月は13.50%/年(税引前)となり、その後は利払日の5営業日前(利払日は含まず)の利率決定日の株価(終値)が購入時株価よりも高ければ、13.50%/年(税引前)になり、低ければ1.00%/年(税引前)になります。

契約時株価を1000円/株価とした場合、850円/株より上か下かがその後の利率を決定することになります。

税金の計算

利益に対して、20.315%の税率が発生します。

1000万円で仕組債を購入し、13.50%/年の基準を維持し続けた場合、135万円が利益となり、そこに20.315%の税金が計算されますので、税金:274,252円、税引後利益:1,075,748円となります。この場合の税引後利率は、10.757%になりますので、上記設計書と数字はあってくるかと思います。

 

◾︎ポイント③

【早期償還判定水準】

当初価格×105%

この仕組債の場合、満期は2022年9月8日で設定されておりますが、それよりも前に早期償還(元本返還)される場合があります。それは、早期償還判定日(本設計書は利率決定日と同じ日)の株価(終値)が105%に達しているかどうかが基準となります。

そのため、マツダ(7261)の株価(終値)が1000円/株でスタートし、1050円/株になっていた場合、そこで早期償還となります。早期償還された場合は、そこで契約満了となり、その後の利回りを受け取ることはできなくなります。

早期償還の条件

早期償還判定日の全ての株式の株価(終値)が105%を超えている場合。

例)

Zホールディングス(4689)スタート:700円/株 判定日:735円/株以上

かつ

マツダ(7261)スタート:1000円/株 判定日:1050円/株以上

 

 ◾︎ポイント④

 【ノックイン】

当初価格×65%

仕組債はノックインの基準に達していなければ、元本×100%で償還されるので、元本割れは発生しないのですが、ノックインの基準に達していた場合、元本割れリスクが発生します。

退職金 運用 債券

例えば、マツダ(7261)を1000円/株でスタートして、満期償還日(2022年9月8日)までに650円/株になった場合、ノックインの基準を満たしたことになるため、元本割れリスクが発生します。

ただ、その後の株価の動きで満期償還日(2022年9月8日)時点での株価(終値)が1000円/株以上になっていれば、元本保証されます。それ以下の場合ですと、元本割れになります。

 

ノックイン発生と元本割れ回避の条件

早期償還(別名:ノックアウト)は全ての株式が基準を満たしていることが条件でしたが、ノックインの場合は、1つの株式でも基準を満たしていることが条件となります。

例)

Zホールディングス(4689)スタート:700円/株 ➡ 1000円/株

マツダ(7261)スタート:1000円/株 ➡ 600円/株

この場合、Zホールディングス(4689)はノックイン基準に達していませんが、マツダ(7261)はノックイン基準に満たしているため、元本割れリスクが発生することになります。

 

■結局どういうことか?

ここまで解説をしてきましたが、少し難しかったかと思います。そのため、シンプルに考えて、下記条件を満たすにはどういう株価の動きになる必要があるのか?を解説していきます。

【ベストパフォーマンス】
契約時から満期償還日まで年利13.50%(税引前)を維持しつつ、早期償還せずに、元本割れリスクも回避するには?

 

退職金 運用 債券

この画像のような株価の推移になった場合、どうなるのかを解説していきます。

株式銘柄
証券コード
契約時価格
初回 2回目 3回目 4回目
利率決定日
早期償還
(共に105%以上)
13.50%
(共に85%以上)
1.00%
(片方85%未満)
利率決定日
早期償還
(共に105%以上)
13.50%
(共に85%以上)
1.00%
(片方85%未満)
利率決定日
早期償還
(共に105%以上)
13.50%
(共に85%以上)
1.00%
(片方85%未満)
利率決定日
早期償還
(共に105%以上)
13.50%
(共に85%以上)
1.00%
(片方85%未満)
基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定 基準 判定
Zホールディングス 4689 700円 750円 735円以上
初回は13.50%/年
712円 735円以上 637.5円以上 637.5円未満 762円 735円以上 637.5円以上 637.5円未満 854円 735円以上 637.5円以上 637.5円未満
マツダ 7261 1000円 900円 1050円以上 912円 1050円以上 850円以上 850円未満 1011円 1050円以上 850円以上 850円未満 1035円 1050円以上 850円以上 850円未満
最終判定 - 早期償還されない - 早期償還されない 13.50%/年が適用される - 早期償還されない 13.50%/年が適用される - 早期償還されない 13.50%/年が適用される

主にはこのような株価の推移を辿れば、ベストパフォーマンスになりますが、実際にそれは実現できるのか?ということを最後に株価を見ながらチェックしていきます。

 

■Zホールディングス(4689)の株価

退職金 運用 債券

一番気を付けなければいけないのは、ノックインによる元本割れのため、その可能性があったのかを確認していきます。ノックイン基準が株価が65%に達することのため、下落幅としては35%になります。

最高値で購入してまった場合、Zホールディングス(4689)の場合は、2014、2015年、2018年がノックインの下落幅以上に株価が下落をしているため、契約時株価によっては元本割れのリスクが発生します。

しかし、特に2019年、2020年は上昇の勢いが強く、ノックインよりも早期償還の確率が高い相場状況だと言えます。

 

では、2021年9月に契約した場合、今後の株価はどうなる可能性があるか?を見ていきます。

退職金 運用 債券

【2021年8月25日時点】

株価は679円/株。この株価で契約したとすると、各種条件は下記の通りとなります。

早期償還(ノックアウト):712.95円以上

13.50%/年:577.15円以上

1.00%/年:577.15円未満

ノックイン(元本割れリスク):441.35円以下

 

【解説】

色々とチャート画面にラインが入っていて、何が書いてあるかさっぱり分からない方もいるかもしれないですが、元本割れリスクを抑えるためには必要な知識なので、解説をしていきます。

2021年8月25日時点では、日足で下降トレンドライン(右下に伸びる線)を上に抜けて、上昇トレンドになっております。そのため、株価は下降よりも上昇確率の方が高いです。しかし、今後の株価の動きを完全に予測することは不可能に近いため、いくつかのシナリオを考えていきます。(5色の矢印) 

元本割れリスクと1.00%/年になる可能性を考えると、577.15円よりも下回らなければ、OKということになるのですが、その可能性を考えていきます。

下から二番目の水平線(横線)の価格が、571円になるのですが、今後株価が下がったとしても、1つの押し目買いポイント=下げ止まりになると予測されます。そのため、仮に571円まで下がったとしても、買い戻されて株価が上昇していく可能性があると言えます。もっと悪いシナリオになると、442円まで下がる可能性があります。

そして、先ほど1.00%/年の株価が 577.15円未満、ノックイン(元本割れリスク)が441.35円以下のため、悪いシナリオの株価と近い価格となります。

そのため、もう少し株価が下がってきたタイミングで契約すれば、1.00%/年とノックインの基準も下げることができるため、悪いシナリオ(571円まで下がる。442円まで下がる。)が発生したとしても、リスクを回避できそうだと予測ができるかと思います。

 

【予測】
契約時株価を間違えなければ、1.00%とノックイン基準は回避できそう

 

■マツダ(7261)の株価

退職金 運用 債券

一番気を付けなければいけないのは、ノックインによる元本割れのため、その可能性があったのかを確認していきます。ノックイン基準が株価が65%に達することのため、下落幅としては35%になります。

最高値で購入してまった場合、マツダ(7261)の場合は、2015年、2016年、2019年がノックインの下落幅以上に株価が下落をしているため、契約時株価によっては元本割れのリスクが発生します。

 

では、2021年9月に契約した場合、今後の株価はどうなる可能性があるか?を見ていきます。

退職金 運用 債券

【2021年8月25日時点】

株価は930円/株。この株価で契約したとすると、各種条件は下記の通りとなります。

早期償還(ノックアウト):976.5円以上

13.50%/年:790.5円以上

1.00%/年:790.5円未満

ノックイン(元本割れリスク):604.5円以下

 

【解説】

2021年8月25日時点では、日足で上昇トレンドライン(右上に伸びる線)を下に抜けて、下降トレンドになっております。そのため、株価は上昇よりも下降確率の方が高いです。

元本割れリスクと1.00%/年になる可能性を考えると、790.5円よりも下回らなければ、OKということになるのですが、その可能性を考えていきます。

真ん中の水平線(横線)の価格が、840円になるのですが、今後株価が下がったとしても、1つの押し目買いポイント=下げ止まりになると予測されます。しかし、この時点では下降トレンドであり、自動車業界が半導体不足なので向かい風となっているため、あまり良い状態とは言えないため、840円を下回る可能性はあります。

840円を下回ると、一番下の水平線まで価格が下がる可能性もあり、この時点の株価が508円になります。

マツダの2014年からの株価の動きを見ても全体的に下降傾向にあり、十分に508円まで株価が下がる可能性はあります。 そうすると、1.00%、ノックインの基準を満たしてしまうことになります。

 

【予測】
2014年からの株価の動き、2021年8月25日時点での株価の動き、半導体不足などにより自動車業界には向かい風状態が続いている。ことを考えると、1.00%とノックインの基準に達する可能性はある。

 

以上のことを考えると、SBI証券から販売されているEB債(仕組債)は一見高い年利を貰えそうだが、マツダの株価の動きが良くないため、年利が1.00%になる。もしくはノックインになり、元本割れする可能性がありそうなので、あまりおススメできる商品とは言えないです。

 

仕組債を契約するならIFA経由一択のみ

前述でもIFAのご紹介はしましたが、仕組債もIFA経由で契約することをおススメします。その理由としては、以下の通りです。

【仕組債をIFA経由で契約する理由】

1、銘柄構成を自由に選べる

2、ノックイン、ノックアウトの基準値を自由に選べる

3、満期を自由に選べる

4、契約時期を自由に選べる

5、利率を自由に選べる

6、悪い年利で年利1.00%といった条件を無くすことができる 

これまでご紹介してきたSBI証券のEB債(仕組債)ですと、1~6は全てSBI証券が設定した条件でした。しかし、IFAは自由度がかなり高く、これらの条件はIFAと共に相談しながら、自由に決定することができます。

仕組債は株価の影響次第では元本割れの可能性もあり、契約のタイミングがとても重要な商品となりますので、契約時期が縛られているSBI証券だとあまりメリットがないと考えます。

 

3. 退職金の運用で注意するべきこと

これまで退職金の運用方法について解説をしてきましたが、注意しなければいけないこともありますので、そちらも最後に解説していきます。

 

3-1. 注意点①『銀行員からの提案で商品契約』

まず1点目が銀行員からの提案で商品契約をすることです。下記画像をご確認下さい。以下の資料は金融庁による金融レポート(2017年)を参考にまとめた資料になります。

退職金 運用 銀行

金融庁によると、日本の金融機関で販売されている投資信託の販売手数料は平均で3.20%と非常に高い数字となっております。また、運用益も10年の平均でマイナスになっているため、高い手数料を取られる上に運用結果も悪いという実態があります。

また、販売手数料の比率をチェックすると、保険の比率が増加傾向にあることが分かります。保険は元本割れを気にする方にとっては良い運用方法にはなりますが、高い手数料も取られていることも事実です。

 

退職金が銀行口座に入金された後、その銀行員から何かしらの商品の提案が発生する可能性はありますが、こうした手数料が高く設定されていることをご認識した上で、話を聞かれることをおススメします。

販売手数料は販売元(銀行、保険代理店、証券会社など)で自由に設定することができ、銀行と大手証券会社は高めの販売手数料に設定されている傾向が強いです。そのため、前述したように証券(株式、投資信託、債券)はIFA経由。保険は保険代理店から契約することをおススメします。

 

3-2. 注意点②『手元資金もちゃんと残しておく』

退職金のような大金が入ってくると車を買ったり、好きなものを買ったり、旅行に使ったりと、使い道の幅が大きく広がりますが、今後のライフプランを考えて、計画的な管理をしていくことをおススメします。

それについては、1-1. ポイント①『金額』に詳細を記載してあるので、そちらをご確認下さい。

 

4. 本記事を執筆した人

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