【失業手当(失業給付金)】起業のために脱サラしても貰う方法

失業手当 ハローワーク

 

1. 失業手当(失業給付金)とは?

失業手当(失業給付金)とは、公的保険制度の一種で、正式には『雇用保険』と呼ばれるものです。会社が倒産して失業した、起業するために退職した、うつ病になって退職した、など多くの理由があるかと思いますが、『雇用保険』に加入している方は、『失業手当』を貰うことができます。

 

1-1. 失業手当を受け取るための条件(自己都合 / 一般離職者)

『一般離職者』

転職、起業などの理由により退職すること

 
【受給条件】
離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間(※)が通算して12カ月以上あること 

※雇用保険期間とは?

雇用保険の被保険者期間は、賃金支払基礎日数が11日以上ある月を1ヶ月とみなします。有給などで会社を休んだ場合は賃金支払基礎日数に加算されますが、欠勤などをした、休んだことで給料が発生しない場合は、賃支払起訴日数には加算されません。

 

1-2. 失業手当を受け取るための条件(自己都合 / 特定理由離職者)

『特定理由離職者』

主に以下の理由により退職すること

・契約社員など有期労働契約の更新を希望したが、認められなかった

・出産や育児により離職し、受給期間の延長措置を受けた

・両親の扶養や介護など、家庭事情により離職した

・配偶者や扶養家族と別居生活を続けることが困難になり離職した

・特定の理由で通勤困難になり離職した

・希望退職者の募集に応じて離職した

 

【受給条件】
離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間(※)が通算して6カ月以上あること

 

1-3. 失業手当を受け取るための条件(会社都合)

『会社都合』

会社の倒産や解雇により、再就職の準備をする時間的な余裕がなく状態で退職すること

 
【受給条件】
離職の日以前1年間に、雇用保険の被保険者期間(※)が通算して6カ月以上あること

 

1-4. 雇用保険って何?

なお、既にお分かりの通り、加入期間は違えども、雇用保険に加入していることが必須の条件となります。

【雇用保険】

労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に失業手当の給付を行う制度

加入保険に一定の条件下で雇用している場合を除き、加入させることは全ての会社に義務付けられています。仮に雇用保険に加入させていなかった場合、会社は懲罰の対象になります。

しかし、以下の条件に該当する場合は雇用保険への加入義務はなく、雇用保険に加入していなかった場合は、失業手当は給付されませんので、お気をつけください。

【雇用保険への加入が義務ではない】
・1週間の所定労働時間が20時間未満である
・65歳以上で雇用される
・昼間が学生である
・会社役員、事業主の家族で、従業員と認められない
・海の家やスキーリゾートなど季節的業務に4カ月以内の期間で雇用される
・船員保険の被保険者や公務員などである

 

2. 失業手当を貰える期間は?

次は、失業手当(失業給付金)を貰える具体的な期間について解説をしていきます。この期間については、退職時の年齢、退職理由、被保険者期間で変わりますので、下記にまとめておきます。

2-1. 【退職理由】自己都合

  被保険者期間
年齢 10年未満 10年以上20年未満 20年以上
65歳未満 90日 120日 150日

なお、自己都合退職には、一般離職者と特定理由離職者の2種類があると解説しました。基本的にはこの条件に当てはまるのですが、特定理由離職者の中でも、下記に該当する方は、会社都合の条件を適用されるので、給付される日数は伸びます。

【自己都合退職でも会社都合の給付日数が適用される方】
・特定受給資格者(倒産・解雇)以外で、期間の定めがある労働契約が更新されずに離職した方(契約社員など)
 

2-2. 【退職理由】会社都合

年齢
被保険者期間
1年未満 1年以上~5年未満 5年以上~10年未満 10年以上~20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 180日 180日 210日 240日

 

2-3. 失業手当の給付開始時期

失業手当 期間

自己都合退職と会社都合退職では、受け取れるまでの期間には差があります。基本的な流れは一緒ですが、自己都合の場合は、2カ月の待期期間がプラスされますので、離職してから失業手当を受け取れるまで2カ月半ほどの期間を要します。

 

3. 失業手当の金額は? 

失業手当を受け取れる金額は、ざっくり計算をすると、離職前の給与の50%~80%ほどの金額(1日当たり)になり、そこに給付日数をかけて総額が決定されます。通勤手当や役職手当なども給与に含まれます。ただし、賞与(ボーナス)は含まれません。

なお、ここでいう給与とは手取りではなく、額面になります。そのため、所得税、住民税、社会保険料などが引かれる前の金額になります。

以下の計算式は厚生労働省(2020年8月時点)での情報になります。

 

3-1. 【STEP1】賃金日額を計算

賃金日額=離職前6カ月間に支払われた給与の合計÷180日

※ただし、賃金日額には上限と下限が設定されています。

離職時の年齢 上限額 下限額
29歳以下 13,700円
2,574円
30〜44歳 15,210円
45〜59歳 16,740円
60〜64歳 15,970円

 

3-2. 【STEP2】基本手当日額を計算

基本手当日額=賃金日額×50%~80%

※給付率は賃金日額で変化します。

賃金日額 給付率
2,574円以上、5,030円未満 80%
5,030円以上、12,390円未満*1 80%〜50%*2
12,390円以上*1 50%*2

*1 離職時の年齢が60歳~64歳の場合は、11,140円
*2 離職時の年齢が60歳~64歳の場合は、45%
*2 基本手当日額=0.8×日額賃金ー0.3((日額賃金-5,030)÷7,360)×日額賃金

 

なお、基本手当日額にも上限と下限は設定されています。

離職時の年齢 上限額 下限額
29歳以下 6,850円
2,059円
30〜44歳 7,605円
45〜59歳 8,370円
60〜64歳 7,186円
 

3-3. 【STEP3】支給総額を計算

支給総額=基本手当日額×給付日数

給付日数については、上記にて解説をしておりますので、ここでは割愛します。。

 

3-4. 具体例

次は、具体的に2つの事例で解説をしていきます。あくまでこれは下記の条件の場合での計算式になりますので、参考の数字としてご活用下さい。

【具体例1】

年齢:40歳(勤続:17年)

退職前の年収:600万円(月収:416,666円/月 ボーナス:100万円)

退職理由:会社都合

被保険者期間:17年

賃金日額=2,499,996円(416,666円/月×6カ月)÷180日=13,888円

基本手当日額=13,888円×50%=6,944円

支給総額=6,944円×240日=1,666,560円

 

【具体例2】

年齢:30歳(勤続:5年)

退職前の年収:350万円(月収:250,000円/月 ボーナス:50万円)

退職理由:自己都合(起業のため)

被保険者期間:5年

賃金日額=1,500,000円(250,000円/月×6カ月)÷180日=8,333円

基本手当日額=0.8×8,333円-0.3((8,333円-5,030円)÷7,360円)×8,333円=5,544円

支給総額=5,544円×90日=498,960円

 

4. 失業手当を貰うまでのステップ

次は失業手当を貰うまでのステップについて解説をしていきます。

失業手当 手順

 (執筆者の友人から入手)

流れとしては、シンプルです。

【流れ】

1、会社から離職票を入手する

2、ハローワークに行き、離職票と求職票を提出する

3、待期期間を過ごす

4、雇用保険受給説明会と失業認定日に出席する

5、給付開始

6、その後は4➡5を月1回のペースで繰り返す

 

5. 失業手当を有効活用する裏技~起業のために脱サラ~

これまでは失業手当を受け取るまでの基本的な情報について解説をしてきました。会社が倒産したリストラされたなどを受けた場合は問題なく失業手当を貰うことができます。

ただ、執筆者の私もそうでしたが、起業のために脱サラするという方も少なくないかと思います。そうした場合、失業手当を貰えるのか気になりますよね?本章ではその裏技について解説をしていきます。

 

5-1. 不正受給が発覚した場合

失業手当を貰っていたが、不正受給が発覚した場合は、以下のような重い措置が取られます。

【不正受給発覚した場合】

1、不正行為のあった日以降の全ての給付が停止

2、不正受給した全額を直ちに返還

3、不正行為により受けた額の2倍の額を納付

4、返還や納付をしない場合は、財産差し押さえなどの強制処分

5、悪質な場合は、刑事事件として刑法(詐欺罪)によって処分

 

5-2. 起業しても失業手当を受給する条件

不正受給とは、受給資格がないのに嘘の情報を与え、失業手当を受給することになります。そのため、実際に行う際は十分に確認した上で行って下さい。

【起業しても失業手当を受給する方法】

条件1 1日当たりが労働時間を4時間以上

条件2 1週間の労働時間が20時間以内

この2つの条件を満たしていることが必要になります。

原則として、1日の労働時間が4時間未満の場合は、『内職・手伝い』扱いとなり、1日の労働時間が4時間以上の場合は、『就労・就職』扱いとなります。

『内職・手伝い』の場合は、収入があった直後の認定日に収入額の申告を行い、失業手当を受け取ることは可能となります。ただし、収入によって働いた日数分の基本手当が減額されることになります。

『就労・就職』の場合は、失業手当は受け取ることができません。ただ、ここで『副業』扱いにすることで、失業手当を受け取る日を最終日以降にスライドさせることができます。総支給日数が90日の場合、91日目にスライドさせることができるというものです。ただし、1週間の労働時間が20時間以上の場合は、失業手当の受給資格は喪失しますので、労働時間の調整は必要です。

そのため、働く時は3時間×5日で働くのではなく、6時間×3日などで働くようにすることで、働いた分の収入を得つつ、『副業』扱いにして、失業手当の受給日を後ろにスライドさせることで、減額されることなく、失業手当も受け取ることが可能となるのです。

 

5-3. 具体例

年齢:28歳

支給日額:6,000円

総支給日数:90日(4月1日~6月29日 12週)

1週間の働き方:6時間×3日(月・水・金)

このような事例の場合、1週間の内4時間働いたのが、3日あるため、3日分の失業手当の受給資格は喪失します。しかし、『副業』扱いにすることで、6月30日以降に受給日をスライドさせることができます。このような働き方を90日間続けたとすると、3日×12週=36日を6月30日以降にスライドさせることができます。

この例の場合、1日当たりの支給額が6,000円のため、36日分だと、216,000円になります。脱サラしたばかりですと、売上を確保することは非常に大変です。そのため、約20万円の収入を得ることは非常にありがたいと思います。

不正受給とみなされた場合、重い処罰が下されることもありますし、本当にこの流れで受給できるのか不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。そうした方は、実際にハローワークに行き、直接確認されてみることをおススメします。

 

6. 退職金のおススメ運用方法

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7. 本記事を執筆した人

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8. お問合せ

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