【うつ病で退職】18カ月分の失業手当(傷病手当金)を得られるって本当?

うつ病 失業手当

 

1. 傷病手当金とは?

傷病手当金とは、病気やケガ等で働くことができない歳に、被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度になります。失業保険と似たような制度ですが、違いもありますので、しっかりと確認をしていきましょう。

1-1. 失業手当と傷病手当金の違いは?

  失業手当 傷病手当金
対象 倒産、解雇、転職などの理由により
会社を退職した状態
病気やケガなどの理由により
就労不能な状態
金額 退職前の給与×50%~80% 退職前の給与×60%
給付期間 90日~330日 最長:1年6カ月(18カ月)

失業手当と傷病手当金は似たような制度ではありますが、厳密に言うと少し異なります。失業手当は、会社に所属中に支払ってる雇用保険が財源となっており、傷病手当金は健康保険が財源となっております。それ以外にも受け取りまでの手順や条件も異なっていますので、本ページにてご確認下さい。

なお、失業手当と傷病手当金の両方を受給することはできませんので、ご注意下さい。失業手当については下記リンクよりご確認下さい。

mone--mana.jp

 

1-2. 対象となる病気(怪我)

傷病手当金を受け取るためには、以下の全ての条件を満たしている必要があります。

【傷病手当金を受け取るための条件】
【条件1】業務外の療養を要する病気やケガである
【条件2】病気や怪我の療養で仕事につけない
【条件3】連続する3日間を含み4日以上仕事につけなかった
【条件4】病気やケガで休んでいる際は、給与の支払いが無かった

■条件1について

医療機関を利用せず、自分自身の判断で仕事を休む、業務上や通勤上の病気やケガなどの場合は適用されません。

 

■条件2について

分自身で判断することはできず、担当医師などの診断書や書類への記入が必要となりますので、ご注意下さい。 

 

■条件3について

日付 7月1日 7月2日 7月3日 7月4日 7月5日 7月6日 7月7日 7月8日 7月9日 7月10日
曜日
勤務 欠勤 出勤     出勤 欠勤 欠勤 欠勤 欠勤  

7月6日、7日、8日と連続して欠勤しているため、条件を満たしている。

 

日付 7月1日 7月2日 7月3日 7月4日 7月5日 7月6日 7月7日 7月8日 7月9日 7月10日
曜日
勤務 出勤 出勤     欠勤 欠勤 出勤 欠勤 出勤  

 

7月5日、6日は欠勤しているが、3日連続していないため、条件は満たしていない。

 

■条件4について

有給休暇で給与の支払いが発生している場合は、対象外となります。

 

また、支給の対象になるのは、会社員・公務員・契約社員などが会社の健康保険に加入している方であり、自営業や個人事業主、会社員の家族の扶養に入っている方は対象外となります。

 

2. 傷病手当金の金額と期間

次は傷病手当金の金額、期間、手順について解説をしていきます。

2-1. 傷病手当金の金額(健康保険加入:1年以上)

支給開始日以前12カ月の各月の標準報酬額の平均÷30日×2/3

なお、標準報酬額とは健康保険料算出のもととなる1ヶ月当りの報酬額で、実際の給与に基づき50等級分の区分が存在します。

 

※標準報酬額(50等級区分 令和3年東京都)

等級 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
報酬月額
(給与)
~63,000 63,000
~73,000
73,000
~83,000
83,000
~93,000
93,000
~101,000
101,000
~107,000
107,000
~114,000
114,000
~122,000
122,000
~130,000
130,000
~138,000
138,000
~146,000
146,000
~155,000
155,000
~165,000
165,000
~175,000
175,000
~185,000
185,000
~195,000
195,000
~210,000
210,000
~230,000
230,000
~250,000
250,000
~270,000
270,000
~290,000
290,000
~310,000
310,000
~330,000
330,000
~350,000
350,000
~370,000
370,000
~395,000
395,000
~425,000
425,000
~455,000
455,000
~485,000
485,000
~515,000
515,000
~545,000
545,000
~575,000
575,000
~605,000
605,000
~635,000
635,000
~665,000
665,000
~695,000
695,000
~730,000
730,000
~770,000
770,000
~810,000
810,000
~855,000
855,000
~905,000
905,000
~955,000
955,000
~1,005,000
1,005,000
~1,055,000
1,055,000
~1,115,000
1,115,000
~1,175,000
1,175,000
~1,235,000
1,235,000
~1,295,000
1,295,000
~1,355,000
1,355,000~
標準報酬
(月額)
58,000 68,000 78,000 88,000 98,000 104,000 110,000 118,000 126,000 134,000 142,000 150,000 160,000 170,000 180,000 190,000 200,000 220,000 240,000 260,000 280,000 300,000 320,000 340,000 360,000 380,000 410,000 440,000 470,000 500,000 530,000 560,000 590,000 620,000 650,000 680,000 710,000 750,000 790,000 830,000 880,000 930,000 980,000 1,030,000 1,090,000 1,150,000 1,210,000 1,270,000 1,330,000 1,390,000

 

例えば、月給が25万円(額面)の方の場合ですと、20等級となり、標準報酬額は、260,000円となります。月給が34万円(額面)の方の場合ですと、24等級となり、標準報酬額は、340,000円となります。

上記の表は令和3年東京都の数字であり、正確な数字はご自身がお住まいになっている都道府県の数字を参考にしてください。下記リンクより確認ができます。

www.kyoukaikenpo.or.jp

 

2-2. 傷病手当金の金額(健康保険加入:1年未満)

支給開始日以前の健康保険の加入日が1年未満の方の場合ですと、以下のa,bの内少ない金額を元に計算されます。

a 支給開始日の月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均
b 当該年度の前年度9月30日における加入している健康保険の全被保険者の標準報酬額の平均額

具体例については、2-4. 具体例で解説をしていますので、そちらをご確認ください。

 

2-3. 傷病手当金の受給期間 

最長で1年6カ月の受給をすることができます。

 

2-4. 具体例

【具体例1】

年収:300万円(月給:24万円 ボーナス:12万円)

健康保険加入:1年未満

休職して1年後に復職した

1年未満の場合、以下のa、bの安い金額が適用されます。

a 240,000円÷30日×2/3=5,333円/日

b 300,000円÷30日×2/3=6,666円/日

aが採用され、1日当たりの支給額は、5,333円になります。

そして、1年間休職しているため、5,333円/日×365日=1,946,545円が総額となります。

 

【具体例2】

年収:600万円(月給:40万円 ボーナス:120万円)

健康保険加入期間:1年以上

休職して1年6カ月後に復職した

 月収40万円ですと、等級は27になり、標準報酬額は410,000円になります。

410,000円÷30日×2/3=9,111円/日

1年6カ月(最大日数)休職しているため、9,111円/日×545日=4,965,495円が総額となります。

 

3. 傷病手当金を貰うまでの手順

傷病手当金 手順

■手順1

まずは、会社に業務外での病気やケガで働けない状態にあることを伝え、保険者(協会けんぽ、保険組合)から傷病手当金支給申請書を入手してください。

www.kyoukaikenpo.or.jp

 

■手順2

次は、被保険者記入用(2枚あります)に必要事項を記入していきましょう。

傷病手当金 手順

傷病手当金 手順

■手順3

次は、担当医師に『療養担当者記入用』に記入依頼をしましょう。

傷病手当金 手順

■手順4

次は、会社に『事業主記入用』に記入依頼をしましょう。

傷病手当金 手順

■手順5

4枚の書類への記入が完了したら、保険者(協会けんぽ、保険組合)に傷病手当金の支給申請をしましょう。支給申請は会社から実施されることが一般的ですが、個人で行っても問題ありません。

申請後は、審査を経て『支給決定通知書』が届き、その通知書には手当金の金額と振込日が記載されています。協会けんぽの場合ですと、申請書を受け付けてから、2週間程度で振り込まれます。健保によっては2~3カ月ほどの期間を要する場合もあります。

 

4. 傷病手当金を貰う際の注意点

以上が傷病手当金の制度の仕組みとなっております。最後に不正受給などの罰則もありますので、確認していきます。

4-1. 不正受給の場合の罰則

【罰則】

1、支給停止

2、全額返納

3、刑事罰(詐欺罪)

これは、失業手当も同じ罰則が設けられているのですが、基本的に働けないことが条件にありますので、給付期間中にアルバイトなど働きながら、傷病手当金を受け取っていた場合は、罰則対象となります。

 

4-2. 収入を得ていてもOK?

前述にもあるように、傷病手当金は働いていないことが前提となりますので、収入を得ていた場合は、適用対象外となります。 

 

5. 本記事を執筆した人

mone--mana.jp

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