年金っていくらもらえるの?~年金制度の仕組みと貰える金額の計算方法~

年金っていくらもらえるの?~年金制度の仕組みと貰える金額の計算方法~

 

1. 年金の仕組み

みなさんが何かと気になる年金について、今回は解説をしていこうと思います。いくら貰えるのか?本当に貰えるのか?など詳細に解説していきます。

1-1. 年金ってどういう仕組みになっているの?

  第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
職業 自営業者
学生
無職
会社員
公務員
第2被保険者に
扶養される配偶者
加入する年金 国民年金 国民年金
厚生年金
国民年金
保険料負担額
国民年金 16,610円/月 16,610円/月 負担なし
厚生年金 負担なし 給料×18.3% 負担なし

保険の種類としては、国民年金と厚生年金の2種類が存在します。いつから年金は貰えるの?何円貰えるの?といった詳細説明は下記にて解説致しますが、概要としては表の通りとなります。

さらに、支払っている保険料はどのようにして我々の手元に返ってくるのか、その流れについて国民年金制度を用いて、解説をしていきます。

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国民年金の保険料は20歳~60歳の全ての人に支払い義務があり、国民年金機構で資産はプールされています。そこから外部の運用機関(ファンドなど)で運用され、65歳以上の方に年金の支払いをしているというのが大まかな流れとなります。

 

1-2. 年金ができた歴史

まずは、年金ができた歴史について解説をしていきます。

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年金の歴史は戦前から始まります。

【年金の歴史】

★1942年 労働者年金保険制度

工場等に勤務する男性を対象とした公的年金制度になります。

★1944年 厚生年金保険制度

事務職である男性労働者・女性労働者も対象になります。

★1954年 厚生年金保険制度(全面改正)

現在の厚生年金制度の基礎となる制度が確立されました。それまでは、工場労働者のみが対象でしたが、会社員と公務員も対象となりました。

★1961年 国民年金制度

この制度の創設に伴い、自営業者等も対象となりました。ただ、課題もありました。現在は20歳~60歳は加入義務がありますが、この当時は、配偶者が厚生年金保険制度に加入していれば、加入は任意でした。これは、厚生年金保険制度の金額が多く、配偶者が厚生年金保険制度に加入していれば、その配偶者は加入する必要がないと考えられていたためです。

しかし、離婚した後は配偶者は無年金状態になってしまうため、生活が苦しくなってしまうという懸念点がありました。

★1985年 国民年金制度(第3号被保険者)

今回の制度改正に伴い、20歳~60歳は全員、国民年金制度に加入することが義務付けられ、現在の年金制度のベースが完成しました。

★2021年 現在

様々な細かい制度改正を経て現在に至ります。

 

1-3. 年金って本当に貰えるの?

老後2000万円問題や受給開始年齢が60歳から65歳に変更になったことから、将来自分が受け取り側になった時に、本当に年金は貰えるのかどうか!気になる方もいらっしゃるかと思います。

【結論】年金は確実に受け取ることができます

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年金には2種類の方式が存在しています。積立方式と賦課(ふか)方式の2種類です。日本の年金制度は賦課方式を利用しています。

■積立方式とは?

将来自分が受け取る年金を自分で積み立てていく方式。

■賦課方式とは?

将来自分が受け取る年金は、その時の支払者から払ってもらった保険料を財源にする方式。

賦課方式についてもう少し解説をしていきます。

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■2018年度の場合

(財源)

2017年度の積立金:約198兆円

2018年度の保険料:約38兆円

2018年度の国庫&公経済の負担:約13兆円

累計:249兆円

(支払)

2018年度の保険金の支給額:53兆円

 

2018年度の場合ですと、保険料(約38兆円)と国車&公経済の負担額(約13兆円)に加えて、前年度の積立金(約198兆円)から、その年の支給額53兆円を支給している仕組みになっています。

■国庫&公経済とは?

国庫、地方公共団体、郵政公社、独立行政法人を指す。

2018年の20歳~60歳の国民が支払った保険料と国の負担額で約51兆円あり、そこから約53兆円を支給しているのですが、その不足分は積立金の約198兆円で賄っていることなります。

日本は人口が減るから将来年金を受け取れなくなるといった話は至る所で聞くかと思いますが、賦課方式で運用されているため、年金が受け取れなくなるということはありません。

仮に、毎年2兆円を積立金額から賄っていったとしても、99年分は財源としては存在することになりますし、積立金の運用益は増加傾向にありますので、将来年金を受け取れないというのは嘘だということになります。

 

■2021年度の運用状況

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(GPIFのHPより)

2001年から2021年の運用状況ですと、年利3.7%ずつ増加傾向にあり、収益額が約100兆円となっています。

 

2. 年金を貰える金額

以上が年金の大まかな概要となります。第2章では、いつから年金を受け取れるの?いくら貰えるの?といった我々の生活に直結したお話をしていきます。

2-1. 年金っていつからもらえるの?

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2000年以前の年金受給開始年齢は60歳~でしたが、法律改正により65歳~に変更になりました。そのため、60歳で定年退職すると、5年間の収入が無くなってしまうため、65歳まで再雇用で働くといった方が増えています。

しかし、これはあくまで原則の話であり、実際に受給開始年齢を繰り上げたり、繰り下げたりすることが可能です。

 

■受給開始年齢の繰り上げ

65歳から最大60歳まで受給開始年齢を繰り上げることが可能となります。ただし、繰り上げ月数に応じて、0.5%×月数が減額されることになります。

■具体例
【現状】年齢:65歳~ 受給額:15万円/月
【繰上後】
 年齢:62歳0カ月~
 減額分:15万円×0.5%×36カ月=2.7万円
 受給額:15万円-2.7万円=12.3万円

 

■受給開始年齢の繰り下げ

65歳から最大70歳まで受給開始年齢を繰り下げることが可能となります。その場合、繰り下げ月数に応じて、0.7%×月数が増額されることになります。

■具体例
【現状】年齢:65歳~ 受給額:15万円/月
【繰下後】
 年齢:67歳0カ月~
 増額分:15万円×0.7%×24カ月=2.52万円
 受給額:15万円+2.52万円=17.52万円

 

年金の受給開始年齢は65歳が基準とはなりますが、年齢を早めたり、遅らせたりすることは可能となっていますので、将来のライフプランと照らし合わせてどうしていくべきか!を考えていくと良いかと思います。

 

2-2. 年金って何円もらえるの?

前述しているように年金は2種類存在します。20歳~60歳の全ての人が加入する国民年金と、会社員・公務員が加入する厚生年金です。それぞれ、何円貰えるのか?見ていきます。

■年金の名称

保険種類 受取時の名称
国民年金 老齢基礎年金
厚生年金 老齢厚生年金

 

■老齢基礎年金(国民年金を支払ってきた方)

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年度 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度 11年度 12年度 13年度
(上半期)
13年度
(下半期)
14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
老齢基礎年金 ¥66,208 ¥66,208 ¥66,008 ¥66,008 ¥66,008 ¥66,008 ¥66,008 ¥65,741 ¥65,541 ¥65,541 ¥64,875 ¥64,400 ¥65,008 ¥65,008 ¥64,941 ¥64,941 ¥65,008 ¥65,141 ¥65,075

(数字は満額を月額で受け取った場合 ※厚生労働省HPより)

20歳~60歳の期間は、全ての方が基本的に国民年金に加入していますが、支給額は毎月6.5万円~6.6万円ほどとなっています。

 

■老齢厚生年金(厚生年金を支払ってきた方)

老齢厚生年金の支給額は厚生年金に加入していた月数と年収で変化しますので、年収別にまとめていきますね。ただ、以下の計算式は、最大の40年間(480カ月)加入した前提の金額となっています。

受給額の計算式

平均標準報酬月額✕5.769/1,000✕加入月数(MAX480カ月)

年収
標準報酬月額
支給額(月額)
10年勤務 20年勤務 30年勤務 40年勤務
300万円 ¥240,000 ¥13,846 ¥27,691 ¥41,537 ¥55,382
400万円 ¥320,000 ¥18,461 ¥36,922 ¥55,382 ¥73,843
500万円 ¥410,000 ¥23,653 ¥47,306 ¥70,959 ¥94,612
600万円 ¥500,000 ¥28,845 ¥57,690 ¥86,535 ¥115,380
700万円 ¥590,000 ¥34,037 ¥68,074 ¥102,111 ¥136,148
800万円 ¥680,000 ¥39,229 ¥78,458 ¥117,688 ¥156,917
900万円 ¥750,000 ¥43,268 ¥86,535 ¥129,803 ¥173,070
1000万円 ¥830,000 ¥47,883 ¥95,765 ¥143,648 ¥191,531
1100万円 ¥930,000 ¥53,652 ¥107,303 ¥160,955 ¥214,607
1200万円 ¥980,000 ¥56,536 ¥113,072 ¥169,609 ¥226,145
1300万円 ¥1,090,000 ¥62,882 ¥125,764 ¥188,646 ¥251,528
1400万円 ¥1,150,000 ¥66,344 ¥132,687 ¥199,031 ¥265,374
1500万円 ¥1,270,000 ¥73,266 ¥146,533 ¥219,799 ¥293,065

 

2-3. 年金受給額シミュレーション

もう少し具体的に金額を計算したい場合は、以下のサイトで計算できますので、ご活用下さい。

www.smbc.co.jp

 

3. 年金対策って何がある?

年金は貰えるとは言っても年収や年金を支払ってきた月数で受け取れる金額は変化してきます。そのため、若いうちから将来に備えて年金対策を行っている方、これから行おうとしている方がいらっしゃるかと思います。最後に、それらの対策について解説をしていきます。

3-1. iDeCo

iDeCoとは、個人型確定拠出年金と言い、月額5000円/月~23000円/月で積み立てていく方式になります。前述にて、積立方式と賦課方式について解説をしたかと思いますが、iDeCoは積立方式を採用しています。

iDeCoはメリット・デメリットが存在しますが、私自身はそこまでおススメはしていません。iDeCoのデメリットが大きく、それ以外の選択肢の方がメリットがあるためです。詳細は以下の記事にまとめてありますので、お時間ある際にご確認下さい。

mone--mana.jp

 

3-2. DC

DCとは、企業型確定拠出年金と言い、iDeCoと似たような制度ですが、掛け金は個人で負担するのか、会社が負担するのかが変わってきます。iDeCoは、自分自身で掛け金を負担することになりますが、DCは企業が負担してくれます。

DCに加入しているかどうかは会社ごとに変わりますので、ご自身の会社の就業規則や会社規定をご確認下さい。また、DCは退職金替わりにも利用される制度で、詳細は下記にてまとめてあります。

mone--mana.jp

 

3-3. 国民年金保険

国民年金保険とは、将来の年金代わりに民間保険で加入することができる商品となります。国民年金保険もおススメできないのですが、詳細についてはまとめている最中ですので、記事が完成しましたら、更新させて頂きます。

 

3-4. 不動産投資

不動産投資には大きく分けて3種類存在します。区分(1部屋だけ)、1棟(マンション、アパート)、戸建ての3種類になります。それぞれ同じ不動産投資になりますが、難易度や得られるメリットは大きく変わってきます。

こちらも詳細まとめている最中ですので、記事が完成したら更新させて頂きます。

 

4. 老後2000万円問題って本当?

年金っていくらもらえるの?~年金制度の仕組みと貰える金額の計算方法~

老後2000万円問題は、2019年頃に話題になった問題ですが、覚えていますでしょうか?このニュースは詳細な条件を明かさずに表面的な部分のみを伝えていたため、大きな議論となりました。

結論をお伝えすると、老後2000万円問題は半分本当で半分嘘です。

これまで年金制度について解説をしてきましたが、『年金=将来受け取れなくなる』というイメージを持っていた方は少なからずいたかと思います。しかし、実際はイメージとは異なり、年金は受け取ることができます。

老後2000万円問題も同様です。ここの大きな問題は、支出の部分であり約26万円の支出が発生している前提条件になっています。そして、本記事を読まれているあなたは毎月何円の支出をしていますか?26万円よりも多いでしょうか?少ないでしょうか?

また、老後になると住宅ローンを完済していた場合、家計を大きく圧迫していた家賃が無くなります。それも含めて、月26万円も支出をするということは、以下のような家計の内容になるではないでしょうか?

■月26万円の支出の内訳(一例) ※夫婦2人前提

家賃:0円(住宅ローン完済した場合)

食費:5万円

水道光熱費:2万円

ネット代(携帯代含む):2万円

生活用品:2万円

その他雑費:15万円

食費から生活用品の金額はおおよその金額を記載していますので、多くの家計では多少の増減はあるにしても、似たような金額になるかと思います。そして、支出を26万円にしようと思うと、その他の娯楽費や雑費で15万円支払っている計算になります。

ここまで読み進めてきていかがでしょうか?そんな行かないと感じられる方もいれば、もっと多いと感じられる方もいらっしゃるかと思います。

 

収入も支出も家計によって大きく異なりますので、老後は2000万円足りない方もいれば、足りる方もいらっしゃるかと思います。大切なことは、ご自身のライフプランに照らし合わせて、将来どうなりそうなのか!いくら不足するのか!不足しないのか!を計算し、そのライフプランと家計予測に照らし合わせた対策を打つことかと思います。

 

5. 本記事を執筆した人

mone--mana.jp

 

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